ITEM | 2019/08/06

「情けは人の為ならず」を可視化する。移動中の困りごとを助けに行けるアプリ「May ii」

文:武者良太
心のバリアフリーの実現に向けて
人と人をつなげるマッチングサービスに、新しい機軸のアプリが誕生した。大...

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文:武者良太

心のバリアフリーの実現に向けて

人と人をつなげるマッチングサービスに、新しい機軸のアプリが誕生した。大日本印刷がリリースしたソーシャルアクションサービス(SAS)「May ii(メイアイ)」は困っている人と、手助けしたいサポーターをGPSで結びつけるアプリだ。

日本の都市部では、インバウンド旅行者や障がいを持つ人々、高齢者の方でも使いやすく移動しやすいように、ユニバーサルデザインの看板やバリアフリー化など、施設の整備が進んでいる。しかしすべての空間デザインがユーザーフレンドリーになっているわけではない。

そこで「May ii」は、困り事があるリクエスターが助けてほしい事柄を発信。手助けしたいサポーターはそのユーザーの現在地と内容を確認し、自分が役立てるならとサポートに名乗りを上げるシステムとなっている。対応言語は日本語、英語、韓国語。

リクエスターとサポーターの位置はアプリ上に表示されるようになっている。また距離が近づくとMay iiユーザーであることを示すカラーコードが表示されるので、その画面を見せ合うことですれ違いを低減する。

大日本印刷はいままでビーコンを使った実証実験を行っていたそうだ。そのときに洗い出された課題の1つが、サポーターを待っている間のリクエスターの心理的な不安の解消とのこと。そこでGPSを用いることで、お互いの位置情報がわかるように仕様が変更された。

またGPSを用いたメリットとして、広いエリア内でマッチングが可能になったという。現在サービス提供エリアは札幌、渋谷、市ヶ谷、天神の4か所だが、順次拡大する模様。なお利用料金はかからず、しかもサポーターはサポート回数などに応じてポイントが付与され、そのポイントは今後さまざまな社会貢献の支援に使用できるようにする予定だという。

他人への頼み事のストレスを低減し、心そのもののバリアフリーを実現してくれるかもしれないサービスだといえよう。


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